暑い夏を快適に!エアコンお手入れについて
2024/06/08
そもそもエアコンに汚れが溜まるメカニズムとは
そもそもエアコンにはどのようなメカニズムで汚れが溜まっていくのでしょうか。 まずエアコンの内部構造は以下のようになっています。
出典:https://www.sanikleen.co.jp/kajiraku/blog/2718
上から空気を吸い、熱交換器(アルミフィン)により温度を調節した風を送り出します。その際、空気とともに埃も吸いこんでしまうため、だんだん内部に汚れが溜まっていくのです。
カビが発生するのはなぜ
ちなみに、カビが発生する理由は「エアコン内部は暖かい空気と冷たい空気が接するから」です。
熱交換器により冷たい空気が暖かい空気に変換されます。その際、温度差によって結露が発生し、湿気が生まれることで、カビが発生するようになっています。カビは25~30度近くの温度で繁殖しやすく、私たちが快適に感じる温度と近しいため、エアコン内部にはカビが繁殖しやすい環境が常に用意されることになります。
夏本番までにやっておきたいエアコンのお手入れ ~プロ編~
では、夏本番までにやっておきたいエアコンのお手入れをご紹介します。ここではプロのクリーニング業者が行う作業が多く含まれるため、不安がある方は業者に頼むというのも1つの方法です。
(ご自身で気軽にできるお手入れは次の項で説明します。)
分解する
吸い込みパネル、フィルター、ルーバー、本体のカバー(白い部分)の順に外します。
分解には、ドライバー(+/-)が必要です。
もし、ご自分で分解される方は、カバーやツメを破損させてしまわないように注意しましょう。
養生する
すぐに洗浄したいところですが、まずは養生を行いましょう。
養生とは、基盤など精密機械部分に水分がかからないように保護することを言います。自分で洗浄するときも養生は必ず行ってください。
ちなみに、プロのクリーニング屋さんは10L近くもの水を使用するため、清掃後エアコンに不具合が出ないようにしっかりと養生を行います。
養生後、ホッパー(エアコンカバーと排水補助)を取りつけて洗浄準備完了です。
エアコンの基本の構造としては、右側に基盤や配線などがまとまっています。もしご自分で養生される方は、隙間があればテープやタオルで入念に塞いでください。
洗浄する
養生が完了したら洗浄をしていきます。
プロのクリーニング屋さんは高圧洗浄機を用いて専用の洗剤が含まれた液体を使います。一般的には強アルカリ性の液剤を使うため、ご自身でこのような洗浄作業をすることはおすすめできません。
また、ブラシでゴシゴシとこすることが「洗浄」と思われがちですが、本当の「洗浄」はカビを撲滅するために洗浄液を用いるのが基本です。
多くの家庭のエアコンで洗浄した後の液体をみると、真っ黒の状態になっています。
乾燥する
洗浄後、目に見える汚れがついている場合は布で拭き取ります。
そして、
暖房:30~60分
送風:60分~
で水分を完全に無くします。ここでまだカビくささが残っている場合はもう一度洗浄を行います。
フィルター・カバーの掃除
乾燥させている間に、フィルターとカバーを掃除します。
掃除機などを使って埃を飛ばし、シャワーを当てながら細かい埃を流していきます。主に水圧で飛ばしていき、中性洗剤を用いて除菌を行います。お掃除が完了したら、日陰干しで乾燥させましょう。
排水ホースの掃除
エアコンを洗浄した後、排水ホースに水を通して埃を流していきます。
その際、埃などによって排水ホースが詰まっていないかを確認しましょう。もしつまりがあると排水が逆流し、エアコンから水漏れすることがあります。
仕上げ・コーティング
最後に、専用の薬品を使って防カビ作業をすると完璧なのですが、これはプロのクリーニング屋さんしか扱うことができない薬品が登場しますので、ご自身で行える作業ではありません。よってここでの作業をご希望の場合はプロのクリーニング屋さんに依頼した方が無難と言えます。
プロの掃除には、高圧洗浄機、洗浄剤、ホッパー(エアコンカバー)、ブロアー、脚立など一般家庭では常備していない道具を多く使用します。
職人および機種によって作業時間が異なりますが、おおよそ2~4時間ほどの作業時間になると思います。
ご自身でできるエアコンのお手入れ
先ほどはプロのクリーニング屋さんに依頼すべきお手入れでした。
ここからは自宅で簡単にできるエアコンのお手入れをいくつかご紹介します。
フィルターの掃除
フィルターには埃がたくさん付着しているので、掃除機などを使って吸い取りましょう。
できれば埃を吸い取った後はシャワーで流し、より清潔にフィルターを保つことを意識してください。ブラシでゴシゴシこすると穴が開いてしまう恐れがあるのでシャワー洗浄がベストです。
シャワー後は、中性洗剤スプレーを満遍なくかけて放置します。
風通しを改善する
冒頭にもご紹介しましたが、カビは湿気が原因で発生します。
そのため、常に風通りを良くして湿気を0にしておけば理論上カビは発生しません。梅雨時期など湿度の高い日は除湿機能で湿度が高くならないようにすることもカビ対策として有効です。
また、エアコンの周りの温度調節も欠かせません。
送風機能をエアコン使用後に使うことでカビ発生率をぐんと下げることができます。
試運転をする
長らくエアコンを使っていないとなんらかの不具合が起きることがあります。
しかし、それに気づかずに夏本番を迎えてしまうとエアコンを使いたいときに使えない...なんてことになりかねません。事前に試運転をしてしっかりとエアコンが使えるかどうかを確認しましょう。
試運転の手順は、
① 最高温度に設定をする
② 温風になってから10分間運転する
③ さらに30分ほど運転し異常がないか確認する
でOKです。
異常を示すランプが点灯することもありますので試運転は必須と言えるでしょう。
エアコンのお手入れ時に注意すべきこと
ここまでご紹介したように、ご自身で簡単にエアコンをお手入れできる内容もあります。
しかし一方で、プロのクリーニング屋さんがいることからも分かるように、ご自身でのお手入れにはリスクもあります。さいごに最低限注意すべきことをいくつかご紹介します。
お手入れするときは電源プラグを抜く
お手入れをしているときに、なんらかの原因でエアコンが作動すると危険です。
例えば、
手を巻き込んでしまう
感電する
など、大事故につながる可能性も0ではありません。特に水を使う場合は電源プラグが抜けているかを必ず確認してください。
汚れがひどいときは業者に依頼する
そもそもエアコンを完璧に綺麗にすることは素人では困難です。
プロのクリーニング業者さんに依頼をして綺麗にしてもらった方が効率も良くなります。多少の費用はかかりますが、お使いのエアコンを長く使っていただくための少額投資という考え方もできます。
また、高所に取り付けられたエアコンを掃除すると転落の恐れもあるので基本的には業者に依頼することをおすすめします。
計画的に、下準備する
エアコン上部の奥まで見渡せるしっかりとした踏み台は必ず準備してください。回転してしまったり、強度が不安定である場合、掃除に専念できません。
わからないことがあれば、Youtubeで「エアコン」「掃除」といったキーワードで調べると掃除方法の動画が出てきます。事前に掃除イメージを持つことで、ご自身の清掃技術を磨きましょう。
まとめ
今回は夏本番までにやっておきたいエアコンのお手入れをご紹介しました。
これから夏がやってきますが、エアコンが使えない...という事態は避けたいですよね。事前にクリーニングや試運転をしておかないと夏本番にエアコンが使えなくなってしまう可能性があります。
埃が溜まっていたりカビが発生していたりするとエアコン自体は使えますが、ニオイが気になったり思ったより暖かくならないことも。もし、汚れやカビが落ちない場合は業者に依頼をしましょう。