マンションのガス給湯器交換注意点
2024/08/10
マンションのガス給湯器の寿命
先ほども記載しましたが、マンションのガス給湯器の寿命は10~15年が一般的です。
ただ、
使用頻度
マンションの立地
ガス給湯器の種類
などにより、寿命は上下します。
交換目安は「安定しない」ようになれば
中には数年で寿命を迎えてしまうガス給湯器も存在します。
ガス給湯器は機械ですのでなんらかの原因で故障することも考えられますし、劣悪な環境においては劣化の進行が早くなります。マンションそれぞれで考えられる要因は異なりますが、ガス給湯器の交換の目安として「安定しない」ようになったらという共通認識は持っておくべきかもしれません。
お湯が急に冷たくなったり暖かくなったりと温度が安定しなくなるとガス給湯器の交換目安と言えるでしょう。
夏場だと、水を出した時に、生ぬるかったり、お湯に近い温度ででてくることがありませんか?
これは建物や住宅において、給水タンクが屋上に設置されていたり、各ご家庭までの入水経路が露出していたりする場合、配管内の水が配管ごと直射日光で温められて水温が上がっている状態となり、その水が蛇口から出てきている状態となります。
当然のことながら、給湯器にも同じ水を給水しますので、設定温度と入水温度の差が少ない場合には、燃焼しないという可能性がでてきます。ただし、これは給湯器の仕様の問題ですので、不具合かどうかの判断が非常に難しいです。
症状として「安定しない」と感じた場合、燃焼ランプ(炎のマーク)が点灯しているかをすぐ確認してください。ランプがついているのにお湯が出ない場合は、故障という判断になります。
マンションで使用されている給湯器の種類
いざガス給湯器を交換しようとしてもいろいろなガス給湯器があり、どのガス給湯器にしようか迷ってしまう方も多いと思います。
そこで、マンションで使用されているガス給湯器の種類をいくつかご紹介します。
ガス給湯器
まずは、ガス給湯器です。
ガス給湯器はマンションや集合住宅で使用されているスタンダードな給湯器になります。給湯暖房機もこのカテゴリーに分類されます。基本的に住宅によって設置できるサイズが決まっていますので、そのサイズの中でグレードの選択ができると考えてください。
サイズもコンパクトで種類も豊富なため多くの住宅で導入されています。
電気温水器
続いて、電気温水器です。
電気温水器は、タンクに電気で沸かしたお湯を貯めておく給湯器です。大きく分けて「電熱ヒーター式」と「熱交換式」があり、簡単に言うと電気ポットが大きくなったものです。夜23時~朝7時など夜間料金の間に自動的に稼働してくれるため電気代が格安になります。
ただ電気温水器の特性上、貯めているお湯しか使えないため新しく沸かすとなるとまた時間がかかってしまいます。また、戸建てであれば敷地内のどこかに設置されますが、マンションの場合はベランダもしくは室内に設置されますので、少し窮屈に感じるかもしれません。
エコキュート
続いて、エコキュートです。
エコキュートは熱を集めて熱エネルギーに転換する技術「ヒートポンプ」を使用した給湯器です。先ほどの電気温水器よりも電気代がリーズナブルになりますが、エコキュート本体の価格が高いことがデメリットとして挙げられます。
さらに、エコキュートのシステムが複雑で故障してしまうと修理代が比較的高額になるという難点もあります。
エコジョーズ
続いて、エコジョーズです。
エコジョーズは電気ではなくガスを使用した給湯器です。排出熱を利用して熱を沸かすため非常に効率よく熱を沸かすことが可能です。
タンクが不要でエコジョーズ自体のサイズもコンパクトなため、マンションに数多く導入されていますがまだまだその知名度は低めです。
ガス給湯器よりもちょっと高くなりますが、ガス会社のプランで優遇がありますのでロングスパンで見た場合に省エネかつ給湯器より安価になる場合があります。
故障しやすいガス給湯器の箇所
当然のことながら、ガス給湯器を長く使っていると、故障しやすくなります。
ただ、定期的にメンテナンスやチェックを行うことで故障する可能性を下げることが可能です。また、普段から故障しやすい箇所を見ておくことで被害を最小限に抑えることもできます。
では、故障しやすいガス給湯器の箇所について解説します。
配管
ガス給湯器の配管は一番壊れやすい箇所です。
壊れやすいだけでなく水漏れなどの破損が起こってから時間が経てば経つほど破損箇所が拡大していき修理費用が高額になります。そのため、発見次第すぐに業者に連絡をして修理してもらう必要があるのです。
ちなみに、水漏れしやすいのは
給湯器下にある配管
給湯器内部の配管
の2つです。内部の配管を見ることは難しいですが下にある配管であれば誰でも確認することができます。
リモコン・ボタン
普段よく使っているボタンは故障しやすい箇所と言えます。
これはガス給湯器に限らずですが、頻繁に使うボタンは使用頻度が高いため故障しやすくなります。例えば、追い炊きや水温調整などお風呂には欠かせないボタンが故障してしまうと私生活に支障をきたします。
できればボタンが故障しないように優しく押すようにしてください。
基盤
長年ガス給湯器を使っていると基盤ごと故障することがあります。
ここでやってはいけないのは「基盤だけ交換する」ことです。ガス給湯器自体を交換するとなるとかなりの費用がかかりますが、基盤だけ交換してもガス給湯器が正常に稼働するかどうかはわかりません。
長期的な目線で見るとガス給湯器ごと交換してしまった方が安く済むケースもあります。
ガス給湯器は設置してからだいたい6~8年で1回目の不具合が発生している印象です。
電磁弁や水量センサーなど本体内の計測部品が経年劣化して「お湯が出ない」や「浴槽のアダプタから水が出てくる」といった症状をお聞きします。私たちの認識的にも部品交換の修理にて完了することが多いです。
次に不具合が出る時期としましては、設置後10年~12年辺りになるかと思います。ここが1回目の不具合の方もおられるかもしれません。「電源がつかない」「給湯器から水漏れしてる」など、「リレー」とよばれる電子基板の不具合や「缶体」と呼ばれる燃焼部分からの水漏れなどがこの時期に多いです。複数の個所に不具合がある場合もあります。
また、給湯器の修理部品の供給は製造終了後10年となります。メーカー在庫として修理部品が残っていれば、修理訪問が可能ですが、タイミングによっては部品がないことも考えられます。
このほかにも寒波到来時の凍結被害や本体内の消耗品の部品交換など、お湯が出ないといった症状に含まれる原因は数多くあります。
マンションのガス給湯器の交換で気をつけること
ガス給湯器が故障した場合、即座に業者に連絡をして交換してもらわなければなりません。
ただ、ガス給湯器を交換する際に気をつけるべきことがいくつかあります。
マンションによっては機種やサイズが限定されていることがある
分譲マンションなど管理組合が加入している場合、設置できるガス給湯器に制限があることがあります。
例えば、
種類
サイズ
などが限定されてしまい、自分が求めているガス給湯器を設置できない可能性があるのです。ただ、無許可で設置するわけにはいかないため管理組合へ確認・承認をすることで設置できるケースも多くあります。
追加工事が必要になることがある
ガス給湯器の種類や設置場所によっては追加工事が必要になることがあります。
追加工事が発生するかどうかは業者に見積もりを依頼した段階でわかることが多いです。もしわからなければ業者に「追加工事は必要ですか?」と聞いてみましょう。
業者によって追加工事をするかどうかが変わってきますので、複数社から見積もりを取りご自身が納得できる業者を選びましょう。
アフターサービスが充実している業者かどうかを見る
ガス給湯器交換の保証として、
製品保証
工事保証
の2つがあります。
製品保証はガス給湯器自体の保証で、工事保証は配管や接続などの工事自体の保証を言います。この保証がない業者に依頼をしてしまうと、万が一の時にこちらが損を被ってしまうことになります。
基本的に保証が付いていて、なおかつアフターサービスが充実している業者に依頼をしましょう。
まとめ
今回はマンションのガス給湯器交換で気を付けることをご紹介しました。
マンションのガス給湯器の寿命は一般的に10~15年ですが、使用頻度や環境によって上下します。中には数年でガス給湯器が故障したという事例もありますので一概に長持ちするガス給湯器ばかりではありません。
また、故障しやすい箇所を事前に知っておくことでメンテナンスをすることができガス給湯器の寿命を伸ばすことも可能です。高額な修理費用を支払わなくていいように普段からガス給湯器のメンテナンスを心がけておくことが重要です。