冬になると窓の結露が気になる
2023/12/28
窓の温度差を軽減する方法
引き続きコップを例に考えます。「水滴の付かないコップ」をご存知でしょうか?アルミ製が一般的ですがこのコップは2重構造になっており、中の飲み物と外気との間に空気層を作ることで、急激な温度変化を軽減し、水滴が付かない設計です。同じく2重構造の魔法瓶水筒に水滴が付かないのも同じ原理(ただし、魔法瓶の中間層は空気層ではなく真空層)です。魔法瓶といえばもう1つ、この構造は断熱性を高める効果もあります。
窓ガラス以外に忘れてはいけないポイント
コップを例に説明を進めてきましたが、1つの材料から作られるコップと違い、窓はガラスと窓枠の2つの材料から出来ています。よって結露対策も窓枠のことを忘れてはいけません。
窓枠については、お使いの窓枠がアルミサッシ(アルミ製)であれば樹脂フレームに変えることが効果的です。アルミサッシは熱伝導率が高いため、寒い外気温がそのまま部屋の内側にも伝わり、室温との温度差から結露を発生させる原因になります。一方で樹脂の熱伝導率は金属の1000分の1以下ですから、窓枠の材質を樹脂に変えることで断熱性を高めることが可能になります。
複層ガラスと2重窓は構造で、樹脂フレームは材質で、それぞれ断熱性を高めています。繰り返しになりますが高い効果を実感するには、構造と材質、両方からアプローチすることが大切です。
① 既存サッシ(窓枠)を外して新しいサッシに交換する方法
窓リフォームと聞いて誰もが想像するのがこの方法です。基本的にはどのような窓も取付可能であることが魅力ですが、既存サッシを取り外す際に外壁の一部を切り取るため、大規模な工事が必要になり、今回紹介する中で最も高価で工期も長くなる方法です。
また外壁に手を加えるという性質上、集合住宅では禁止されている場合がほとんどです。
費用は以下を目安に考えると良いでしょう。
腰高窓
工事代 15~20万円※
材料代 8~20万円
総額 23~40万円
※ 足場設置なしを想定
掃き出し窓
工事代 25~30万円※
材料代 20~30万円
総額 45~60万円
※ 足場設置なしを想定
② 既存サッシを新しいサッシでカバーする方法
カバー工法とよばれるこの方法のメリットは外壁に手を加えることなく、自由度の高い窓リフォームができることです。簡単な工事で済むため、工事代を抑えることが出来る上に2〜4時間程度という短時間で工事が終了します。
デメリットは窓のサイズが若干小さくなることですが、メリットが大きいためおススメです。
費用は以下を目安に考えると良いでしょう。
腰高窓
工事代 10万円前後※
材料代 8~20万円
総額 18~30万円
※ 足場設置なしを想定
掃き出し窓
工事代 12万円前後※
材料代 18~30万円
総額 30~42万円
※ 足場設置なしを想定
③ 内窓を追加設置する方法
この方法は既存の窓枠に一切手を加えないため、集合住宅であっても採用可能です。
また既存の窓が1層目になるため、内窓は費用を抑えた単層ガラスにしても結露防止効果があります。
反面、空気の入れ替えなどを行う際、窓を開ける・閉めるという作業が倍になってしまいます。またお金をかけてリフォームしても外観が全く変わらないという点も寂しいところです。
費用は以下を目安に考えると良いでしょう。
腰高窓
工事代 4~5万円
材料代 4~5万円
総額 8~10万円
掃き出し窓
工事代 5~6万円
材料代 8~13万円
総額 13~19万円
まとめ
窓のリフォームは結露対策だけでなく、冷暖房費の節約、防音、など多くのメリットがあり、築年数が経過したお家でもしっかり効果を体感いただけるリフォームです。電気・ガス代は上がり続けているため、光熱費を抑えられる窓リフォームは検討の価値があるのではないでしょうか。